原子力発電は割高な発電方法と矢口社長は言う

原子力発電は割安な発電方法とよく言われていますが、それは放射性廃棄物の処理コストを除外して計算した場合のことです。

なぜか除外して計算した数値が他の発電方法との比較の際に使われますが、当然処理コストも入れて計算しなおすべきことでしょう。

処理コストは税金で賄うから、という考え方なのかもしれませんが、それならなおさら除外せずに、発電コストとして勘定するべきことです。

原子力発電を始めるとき、放射性廃棄物の処理をどうするかは決まっていませんでした。

年月が過ぎれば、科学の進歩でよい方法が生み出されるだろう、という希望的観測のもと、処理方法がわからないまま見切り発車してしまったということです。

トイレのないマンションと言われるゆえんです。

しかし、半世紀以上過ぎても、処理方法はないままです。

北欧では最終処分を始めたところがありますが、維持管理に苦労し、決して万全なものではないようです。

処理コストは莫大です。

化石燃料や再生可能エネルギーで発電した方が、最終処分がいらない分、割安なのは明白です。

ではなぜ、そのような割高な発電方法を発展途上国が軒並みやりたがるのか、というと、それは一目置かれるため、という意図があるからと推察されます。

原子力発電所がある国であれば、見捨てられずに済む、といったところでしょうか。

飢饉や内乱などで政情不安になった場合、原子力発電所がそこにあれば、国際社会は放置できなくなります。

原子力発電所を一基つくってさえしまえば、影響力を持つ国扱いとなり得ます。

核兵器を持つとなにかと波風が立ちますが、原子力発電所なら容易につくれて、国際社会から放置されない国になれる、という意図があるように感じられます。

どこの国であれ、原子力の学者であれば、高コストの発電方法であることくらいはわかっているでしょう。

それでも推進するのは、一目置かれる手っ取り早い方法だから、という理由以外考えられません。

⇒矢口敏和